【豆知識】スーツケースの歴史｜いつから旅の必需品になったのか？

スーツケース

2025.07.27

「旅行」と聞いて、多くの人が思い浮かべるアイテムの一つが「スーツケース」ではないでしょうか。空港や駅でカラカラと音を立てて引く姿は、旅の始まりを告げる風物詩とも言えます。しかし、この便利なスーツケースが、いつから私たちの旅の必需品になったのか、ご存知ですか？この記事では、そんな身近なようで意外と知らないスーツケースの歴史を紐解き、その進化の過程と、現代の旅を支える最新のおすすめスーツケースをご紹介します。

スーツケース登場以前の旅の荷物
「スーツ」を入れるためのケースの誕生
革命的な発明！キャスター付きスーツケースの登場
1. ▼静音キャスターで移動が快適なスーツケース
さらなる進化：4輪、軽量化、そして多機能化へ
1. ▼最新機能で旅をサポートするスーツケース
まとめ

スーツケース登場以前の旅の荷物

人々が旅を始めた古代から、荷物を運ぶための道具は存在しました。日本では風呂敷、世界では革袋や柳で編んだカゴなどが使われていたと考えられています。

18世紀以降、蒸気機関車や蒸気船の登場により長距離移動が一般的になると、人々はより多くの荷物を持って旅をするようになりました。この時代に主流だったのが、木や革で作られた「トランク」です。

トランクは非常に頑丈でしたが、その分とても重く、運ぶのには一苦労。当時はポーターに運んでもらうのが当たり前でした。まさに「荷物」という言葉がしっくりくる時代です。

「スーツ」を入れるためのケースの誕生

20世紀に入ると、旅行のスタイルも少しずつ変化します。特にビジネスでの出張が増える中で、「スーツ（Suit）」をシワなく綺麗に運びたいというニーズが高まりました。そこから生まれたのが、現在のスーツケースの原型となる、その名も「スーツを入れるためのケース（Suitcase）」です。

とはいえ、まだキャスターはなく、素材も重いものが主流。あくまで手で「提げて」運ぶのが基本で、現代の私たちが使うものとは程遠いものでした。

革命的な発明！キャスター付きスーツケースの登場

スーツケースの歴史における最初の大きな転機は、1972年に訪れます。アメリカのラゲージ・カンパニーの経営者だったバーナード・サドゥ氏が、重いスーツケースの底に4つのキャスターを取り付け、紐で引っ張るという画期的なアイデアを思いつきます。これが「キャスター付きスーツケース」の誕生です。

「荷物を運ぶ」から「荷物を引く」へ。この発想の転換が、旅行を劇的に楽なものに変えました。今では当たり前のキャスターですが、その静音性や操作性は年々進化しています。特に日本のブランドが開発したキャスターは、その静かさで世界的に評価されています。

▼静音キャスターで移動が快適なスーツケース

静かなキャスターは、早朝や深夜の移動でも周りに気を使わずに済みます。ストッパー付きなら、電車内でも安心です。

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さらなる進化：4輪、軽量化、そして多機能化へ

キャスター付きスーツケースの登場から約15年後の1987年、さらなる革命が起こります。ノースウエスト航空のパイロットだったロバート・プラット氏が、スーツケースを立てたままスムーズに移動できる伸縮ハンドルと2つの車輪（後の4輪）を備えた「ロールアボード（Rollaboard）」を発明。これが現在の「キャリーバッグ」の原型となり、瞬く間に世界中に広まりました。

この頃から、スーツケースの進化は加速します。

軽量化と耐久性の両立: 航空機の窓などにも使われる「ポリカーボネート」やABS樹脂といった軽量で丈夫な素材が登場し、女性でも扱いやすいスーツケースが増えました。アルミニウム製のスーツケースも、その頑丈さから根強い人気があります。
安全性の向上: アメリカ旅行の必需品である「TSAロック」が標準装備されるようになりました。
多機能化: ノートPCや書類をサッと取り出せる「フロントオープン」機能や、荷物が増えた時に便利な「拡張機能」、スマホの充電ができるUSBポート付きなど、旅をより快適にするための機能が次々と追加されています。

旅のスタイルや目的に合わせて、最適な素材や機能を持つスーツケースを選べる時代になったのです。