スイスのセキュリティ企業が提供するトラベル向けeSIMサービス「Stellar eSIM(ステラ eSIM)」。
海外渡航用でありながら、日本国内プランが「3GB / 30日間で約100円(0.57ユーロ)」という破格の料金設定で利用できることから、海外旅行者だけでなく国内のサブ回線・通信障害対策としても大きな注目を集めています。
本記事では、Stellar eSIMの基本スペック、日本向けプランの比較、通信速度・VPNの挙動、音声通話やSMSの仕様、国内外のレビュー評判、対応国、必要書類まで、すべての情報を漏れなくまとめました。
1. Stellar eSIMの概要と主な特徴
Stellar eSIMは、スイス・ジュネーブに拠点を置くセキュリティ企業「Stellar Technology SA(Stellar Security)」が提供するグローバルデータ通信サービスです。
- 圧倒的なコストパフォーマンス
- 日本向けデータ通信(3GB / 30日間)がわずか 0.57ユーロ(約90〜100円前後)。
- 2GB / 30日間(0.49ユーロ)など、低容量・短期間を格安で利用できるプランが豊富。
- スイス基準の「Stellar VPN」が30日間無料で付属
- スイスのプライバシー法に基づき、通信ログを保持しないノーログポリシーの自社VPNが標準付帯。
- 本人確認(eKYC)・会員登録が一切不要
- 身分証明書の提出やアカウント作成なしで、ゲスト購入が可能。
- 面倒な手続きを省き、購入完了と同時に即座にQRコードが発行されます。
- アプリ不要でデータ残量・有効期限を確認可能
- 専用Webサイト(Stellar Data)にSIM IDを入力するだけで、データ残量や利用可能国をブラウザ上で確認できます。
- 物理eSIM変換アダプタにも対応
- 「9eSIM」などの物理eSIM変換アダプタを利用すれば、eSIM非対応のスマートフォンでも利用可能です。
- 多彩な決済手段
- クレジットカード / デビットカードに加え、Apple Pay、Google Pay、暗号資産(Bitcoin、Ethereum等)での決済に対応。
2. 日本向けプランの比較:マルチキャリア版 vs IIJ版
日本国内向けプランには、同一料金(3GB / 30日 0.57ユーロ)で「マルチキャリア版」と「IIJ版」の2種類が存在します。用途に応じて適切なプランを選ぶ必要があります。
| 項目 | マルチキャリア版 | IIJ版(国内ローカル) |
|---|---|---|
| 対応キャリア | ドコモ / au(KDDI) / SoftBank / 楽天モバイル | NTTドコモ(IIJmio網) |
| 通信規格 | 5G / 4G LTE | 4G LTE |
| 接続方式 | 海外ローミング(香港 3 HK経由) | 国内ローカル接続 |
| IPアドレス判定 | 海外(香港 / シンガポール等) | 日本国内 |
| 国内決済・動画サービス | サービスにより弾かれる可能性あり | 問題なく利用可能 |
| テザリング | 環境・端末により不安定な場合あり | 利用可能 |
| おすすめ用途 | 通信障害対策、電波の切り替え重視 | 日本国内での日常利用・サブ回線 |
3. 音声通話・SMS受信の仕様(重要)
Stellar eSIMは「データ通信専用(Data-only)」の回線です。
✕ できないこと(非対応)
- 電話番号の付与: 090/080/070や現地の国際電話番号は割り当てられません。
- 電話回線を使った音声通話: 一般電話回線での発信・着信は不可。
- SMSの送受信: 友人間のメッセージ送受信だけでなく、Webサービスや銀行・クレカ等の「2段階認証コード(ワンタイムパスワード)」の受信も不可。
◯ できること(データ通信経由)
- アプリ通話: LINE、WhatsApp、FaceTime、Skype、Zoomなどの音声・ビデオ通話
- メッセージアプリ: LINE、WhatsApp、Telegram、iMessage(Apple ID経由)など
- IP電話アプリ: 050番号アプリ(My050等)を別途契約している場合の通話
【海外渡航時のSMS対策(デュアルSIM運用)】
海外で日本のクレカ決済や銀行ログイン等のSMS認証が必要な場合は、日本のメイン回線SIM(ドコモ・au・楽天等)を「データローミングOFF」にしてSMS受信専用とし、データ通信はStellar eSIMに割り当てることで、高額請求を防ぎつつSMS認証を行えます。
4. 通信品質・実測速度データ
Fast.com等による実機通信テストの結果は以下の通りです。
① マルチキャリア版の挙動
- SoftBank(5Gローミング): 下り 52 Mbps / 上り 25 Mbps / レイテンシ 88 ms(最速・安定)
- KDDI / au(5Gローミング): 下り 10 Mbps / 上り 22 Mbps / レイテンシ 113 ms
- NTTドコモ: 接続・通信可能
- 楽天モバイル: 接続直後に電波を見失うなど挙動が不安定
- ※海外ローミングのため、接続先サーバーはシンガポールや香港と判定されます。
② IIJ版の挙動
- NTTドコモ(4G LTE): 下り 17 Mbps / 上り 9.8 Mbps / レイテンシ 50 ms
- ※国内サーバー(大阪・四日市等)判定となり、遅延が少なくPayPayなどのQR決済もスムーズに動作します。
③ 無料付属「Stellar VPN」接続時の挙動
- 日本サーバー(Tokyo)接続時: 下り 440 Kbps / 上り 12 Mbps / レイテンシ 630 ms
- ※VPNをオンにすると大幅に速度が低下するため、常時利用ではなく、空港やカフェの公共フリーWi-Fi接続時の暗号化保護用途に限定するのが現実的です。
5. 対応国・地域リスト(世界190カ国以上)
単一国プランのほか、複数国を跨いで使える周遊パッケージが提供されています。
- 単一国プラン(抜粋):
- アジア: 日本、韓国、中国、台湾、香港、タイ、ベトナム、マレーシア、シンガポール、フィリピン、インドネシア、インド ほか
- ヨーロッパ: イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、スイス、オランダ、オーストリア、ギリシャ、ポルトガル、トルコ ほか
- 北米・中南米: アメリカ、カナダ、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、ペルー ほか
- 中東・オセアニア・アフリカ: UAE、サウジアラビア、オーストラリア、ニュージーランド、エジプト、南アフリカ ほか
- 周遊パッケージ:
- アジア周遊プラン(約20地域対応)
- ヨーロッパ周遊プラン(EU・欧州30カ国以上対応)
- バルカン半島プラン
- グローバル周遊プラン(世界100カ国以上対応)
6. 必要書類・契約条件
- 必要書類:一切不要(No-KYC)
- パスポート、運転免許証、マイナンバーカード、住所確認書類などの提出・顔写真登録は完全に不要です。
- 通常、現地SIM購入時に厳しい本人確認が求められる国(タイ、中国、インド、UAE等)でも書類なしで即座にデータ通信を確保できます。
- 利用に必要なもの:
- eSIM対応・SIMフリーの端末(または物理eSIM変換アダプタ)
- 受信用メールアドレス(フリーメールや使い捨てアドレスでも可)
- 決済手段(クレジットカード、Apple Pay/Google Pay、暗号資産)
7. 国内外のレビュー・評判
良い評判・メリット
- 圧倒的な安さ: 3GBで約100円という価格設定は他社eSIMと比較しても最安水準。
- 手軽さと即時性: アカウント登録やeKYCが不要で、数分で購入から開通まで完了する。
- 無料VPNの安心感: 公衆Wi-Fi利用時のセキュリティ保護ツールが無料でついてくる。
- Web完結の残量管理: 専用アプリを入れずとも、ブラウザでSIM IDを入力するだけで残量・期限がわかる。
気になる評判・注意点
- テザリング(ホットスポット)の制限: 一部の国・端末・プランにおいて「テザリングが正常に動かない」という報告がある。
- VPN接続時の速度低下: VPN経由では数百Kbps程度まで落ちるため、高速通信には向かない。
- 購入時の追加オプション: カート画面で「旅行安心保証(約0.45ユーロ追加)」が自動選択されている場合があるため、不要ならチェックを外す必要がある。
- サポート体制: トラブル対応は海外仕様(英語のみ)のため、日本語の手厚いサポートは期待できない。
8. おすすめできる人・おすすめできない人
おすすめできる人
- 海外旅行・短期出張者: フリーWi-Fi用VPNと現地データを最安で確保したい人
- 国内の格安サブ回線を持ちたい人: 固定月額費ゼロで、障害対策や予備回線(3GB 約100円)を都度購入したい人
- 一時帰国者・訪日外国人: 面倒な身分証明・長期契約なしで即日通信を使いたい人
- サブ端末・子供用スマホの維持費を抑えたい人: 課金や使いすぎのリスクなく買い切りで運用したい人
おすすめできない人
- メイン回線として大容量・高速通信を求める人(高画質動画の連続視聴やオンラインゲームメインの方)
- 電話番号による音声通話やSMS認証が必須な人(データ専用のため非対応)
- 日本語での手厚いカスタマーサポートを重視する人
9. 総評
Stellar eSIMは、「国内・海外問わず、安価にデータ通信を確保し、公衆Wi-Fi保護用VPNもセットで手に入れたい」という用途において、非常に優れたコストパフォーマンスを発揮するサービスです。
国内利用なら日本のサービスが快適に動く「IIJ版」、通信障害対策や電波状況に応じた切り替えを重視するなら「マルチキャリア版」を選ぶのが最適です。